5.『墓地裏の家』の生意気そうなガキがまた出てますねえ。これだけでもう、大幅なマイナス。とか言ってはいけません。
エジプトの遺跡にまつわる何やら因縁めいたものが、アメリカに舞台を移し様々な怪異を招いていく、という趣向。理にかなったような説明はこれと言って無く、よくワカランと言えばワカランけど、オカルト映画たるもの、やはりこうでなくては。ただただ、いわくありげな遺跡に侵入したらアカンでしょ、とか、いわくありげな婆さんからいわくありげな物を受け取ったらアカンでしょ、とか、そういうキッカケだけあれば、充分。古代エジプトと現代のニューヨークとが、何らかの因縁で繋がる。それだけで充分。
だからって、いきなりエレベータの床が抜ける、とか、意味不明過ぎるではないか、とのお怒りもあるかもしれないけれど、いや、古代エジプトの呪いたるものを、現代の我々の尺度で理解しようというのが、間違いなのです。
正直、呪いなんだか何なんだかも、よくわかりませんが・・・。
冒頭、侵入した遺跡の中にトラップがあって人間が剣山に串刺しになる、かなりお約束めいたショックシーンがありますが、全体的に残酷描写は控えめ。それよりも、遺跡近くにいる母娘の姿を遠くからそっと捉えたカメラなどに、趣きを感じさせます。
あと、生き物を使った不気味さの演出。ラストの鳥の襲撃は、これは残酷描写と呼んでいいんですかね?
そういや遺跡の壁画に、緑色の蛇が渦巻きのようにとぐろを巻いている様が描かれてますが、どうもこれ、蚊取り線香に見えて仕方がない。どうでもいいですけどね。