1.《ネタバレ》 シリーズ中でこれだけ見ても、だから何だ、としか思えないが、アポロ11号や大阪万博といった高度成長期の山場ともいえるイベントが扱われており、場所と年齢は違うが自分も一応この時代を生きていたという共感を覚える。飛翔場面でワイヤが見えても指摘したりしないのは昭和特撮世代の伝統である。
それで、この映画であえて重要メッセージを探すとすれば、何といっても「アホに何言うてもわからへん」だろう。これはまさにその通りで、こういうことを絶対わかろうとしない人もいるので困るのだが、劇中の女先生は理解が早い。ただこの家で本当に無茶苦茶なのは実はオトンだけであり、先生と呼ばれる人を丁重に扱う母と祖父は、古き良き日本の庶民だと思う。
ところで、あの穴は結局何だったのか。大和朝廷に滅ぼされた古代文明とか祖父が言っていたが、奈良県から岸和田に攻めて来るというご近所的スケール感が脱力を誘うジョークである。この祖父はけっこう教養人かも知れない。