<ネタバレ>確かに、今後テクノロジーが発達していけば、元々は医療用に開発 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>確かに、今後テクノロジーが発達していけば、元々は医療用に開発されたものが娯楽用へと転用されてそれがこの映画の「サロゲート」のようなものが登場することもあり得る話だと思う。ただ、この作品でそれが使われている原因として、老化した自分の顔、見窄らしい身体を晒さずにサロゲートという自分の理想型ロボットが変わりに街を出歩く事で自尊心を保つかのような説明であるが、そもそもあそこまで科学が発達した世界なら、自分自身の老いに抗い、美を保つ技術も進歩しているであろうから、分身ロボットを身代わりにする必要もなかろう。それに、犯罪がほとんどなくなったという説明もされていたが、実際にああいう社会になったらむしろ犯罪はやりたい放題になるのでは?と、舞台設定そのものに、色々と疑問が生じたのだが、もっと問題なのはストーリーの陳腐さで、例えばサロゲートの生みの親が実は悪玉であったというオチは、あまりにもありきたりで、これといった意外性を感じない。この点はかなり致命的である。逆に良かった点は、たとえば夜の街の色彩の美しさや、サロゲートのつるっとした肌の質感、それから追いかけっこシーンなどで発揮される、サロゲートの超人的な身体能力など。それらは映像的には魅力ある点であったと思う。