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<ネタバレ>娯楽作品として観れば、それなりに面白かったとは思うんだけど、ネットでえらく低評価なのもよくわかる。監督のSABUは、喜劇を撮らせたら本当に上手いけれど、この作品はそういう彼のコメディの要素とシリアスな要素がうまいこと一つになってないんですよね。基本シリアス路線で、そこにさじ加減程度にユーモアを入れるとかならわかるのですが、この作品のユーモアは明らかにおちゃらけで、それがシリアスなところと喧嘩しちゃってる。それに、労働者たちの髪型とかが整ってて小綺麗すぎるし、暴力ふるってる監督も威圧感が足らないと思うし、セットにもちゃちさを感じてしまう。なので、評判が芳しくないのも頷けるのだが、ただ、例えば「なんちゃって中国人」の台詞はなかなか良かったと思うし、その言葉を聞いて改心して笑顔たっぷりに踊りだすのもいいシーンだと思う。蟹工船という古典の舞台を借りて大幅にアレンジして、今に必要なメッセージを訴えてると言うことそれ自体は評価出来る。