<ネタバレ>暦というものが権威や文化、常識と一体化し、科学的知見によって .. >(続きを読む)
<ネタバレ>暦というものが権威や文化、常識と一体化し、科学的知見によってそれを変えることの困難さを痛感させられる。こういった話は、科学が発達した現代にも通じるものがあるんじゃなかろうか。そしてまた安井算哲という実在の人物がいたことを知らなかった自分としては、その人物像においても興味深かった。岡田君はこの人物を実に「気持ちのよい男」として演じていたように思う。素敵な笑顔、純粋さと生真面目、腕を振って快活に歩く姿。彼の恋人役の宮崎あおいもやはりいい演技だったように思う。文字通り、彼にとっての「太陽」のような存在であり、あのとびきりの笑顔を見せてくれるから、安井算哲は孤立奮闘して頑張れたのだな、なんて思わせるほどのものである。ただ、不満な点も多々ある。複数の暦の違いや専門的な知識がわかりにくいのと、なにより誰も年を取っているようには見えないので、「月日が経っている」という感覚に乏しい。新しい暦を作る計画の旅路も、それほどの困難さが伝わってこないし、途中出てきたチャンバラも、どことなく作風に合っていないような印象だった。良い点と悪い点が混在しているような作品だったので、とりあえず6点をということにしておきます。