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<ネタバレ>なんといっても、ワダエミが手がける衣装でしょう。人の内面とかキャラクターを、衣装によって表現する。本作もそのスタイルが貫徹されていて、美しい和服の数々を堪能することが出来ます。同時にまた、全体的なセットも良かったです。ただ、ワダさんの衣装というのは綺麗そのもので生活感がなく、外道キャラの豊臣秀吉も漫画的に感じるところもあり、全体としてリアリティの重みに乏しいなとも思う。勿論、その外道キャラの秀吉と感情を押し殺す利休の対比が面白ので、それ自体は悪くはないんだけれども。映像的には、定位置からの長回しショットなど、どことなく黒沢映画を意識しているようにも感じられ、三国連太郎と熱演にも特段の不満はありません。ただ利休のキャラクターが、ずっと我慢し続けて最後の最後に自我を貫いた一人の男というだけで、その生き方や考え方と、茶道の精神とがもっとリンクして伝わってくるような構成であれば良かったのになという気がします。