<ネタバレ>敵がまったく姿を現さず、伝聞と痕跡だけでその強力ぶりを表すと .. >(続きを読む)
<ネタバレ>敵がまったく姿を現さず、伝聞と痕跡だけでその強力ぶりを表すという手法にまずびっくり。ただこの敵、途中までは容赦ない殺戮を繰り返している(はずである)のに、主人公とその周辺に対しては、異様に詰めが甘いというか、遠慮深いというか、一度は家の中まで突入していながら中途半端に撤収、その後もやたら遠くから狙ってきているだけ、主人公が深追いして家がノーガードになっていても、その隙を突くわけでもない、と、途中からは強いのかどうなのかよく分からないのです。なおそれよりも、一番スリリングだったのは、女性と少年が初めて主人公宅に来た日の夜であり、このぎこちなさと心理の衝突の危うさ、ほとんど喋らない母子の描写によってそれまでどういう待遇を受けていたのかを際立たせる演出の手口など、見事なほどに緊張感が冴えわたっています。