<ネタバレ>たった一冊の本だけが原動力となって、授業を抜け出した教師がそ .. >(続きを読む)[良:2票]
<ネタバレ>たった一冊の本だけが原動力となって、授業を抜け出した教師がそのままベルンからリスボンまで行ってしまうという、何とも素敵な謎から始まる導入部。その後も、各俳優陣の的確な演技と表現によって、物語は気品を失わず、一本の糸がどこまでも紡がれ、いつしか全体としての織物を完成させていく(その間、同一場面多視点ネタもちらほら)。その過去の探求が、自らを「退屈な人間」と卑下する主人公にも、微かな、しかし確実な変化をもたらす着地点に収斂する様式美。どこまでもじっくりと味わい深い作品です。[良:2票]