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<ネタバレ>導入部から前半での凡庸かつ官僚的な描写に、前作や前々作もこんなに段取りと口先台詞だけでできてたっけ?としばし疑問に浸ってしまったが、最後までそれで行ききってしまったのにびっくりした。例えば、クライマックスになるはずの妻夫木が西村を説得する場面、妻夫木の台詞内容もそれを受けた西村のリアクションも、50年くらい前のテレビドラマレベルそのまんま。というか、それを別の日常場面で画面上表現するのが映画ではないのか。夏川の家出後の家族会議という美味しすぎるはずの場面も、西村と橋爪の新旧頑固親父対決なんてのはいくらでも見たいと思うし、また今作ならではの意味があると思うのだがが、その方向には発展しない。全体の中でコメディを感じさせたのは、風吹ジュンが家政婦の体で登場するくだりくらいでしょうか。