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<ネタバレ>第2次大戦下のフランスを舞台に、精鋭部隊の決死の特殊作戦を描いた映画、と言う訳ではなくって、戦争そっちのけで銀行に眠る金塊の強奪作戦に走ってしまうのがまず、人を食ってます。今、こういう映画を作ると、「ああ、金儲け目当てで戦争する米国を揶揄してるのね」と、イデオロギー的に受け止められるところですが(もし本作にそういう意図があったんなら、大した先見性ですが)、本作の場合、そういうケチ臭い体制批判に走るんじゃなくって、もっと自由で大らかでバカバカしい、お伽噺みたいな方向ですね。ただしそうは言っても、彼らの快進撃に勘違いして舞い上がる将軍のエキセントリックな描写には、いかにも戦争というものをからかった風刺性が見られるし、また戦車を率いるドナルド・サザーランドが、飄々といい味出しつつ、敵軍に対しては、たとえ逃げ惑う相手だろうと殺戮しまくるあたり、ブラックなものがあります。一方、クリント・イーストウッドはこんな内容の映画でも苦虫噛み潰したような表情を見せ、これがユーモラスなんですけれども、同時にまた本作のかなり気合いの入った戦闘シーンにもこの表情が繋がって行ったり。と、なかなか一筋縄ではいかないクセのある作品ですが、中でもクセのあるのが終盤、うーむ、これはどうなんでしょう。マカロニのパロディはちょっと余計かな、という気もしちゃうし、戦わずに終わるなんていうアンチクライマックス、(よりによってイーストウッドが"Auf Wiedersehen"だなんてドイツ語を口走っちゃう画期的なシーンを見せてくれたにしても、あるいは彼らの姿が好戦的な将軍の姿と良い対照をなしているとしても、)やっぱりちょっと肩透かしだなあ、と。