「ウォルター・マッソー=由利徹」説ってのが常に根強くある訳で .. >(続きを読む)
「ウォルター・マッソー=由利徹」説ってのが常に根強くある訳ですが(ホンマかいな)、本作の二枚目ぶりはなかなかのもの。見ようによってはピアース・ブロスナンあたりを彷彿とさせたり(ブロスナンよりは深みがある。ブロスナンの魅力はあの浅さにある)。まず冒頭、緊迫感あふれる銀行強盗シーン、そしてこれに続くド肝を抜くカーアクション。しかも奪った大金は、実はマフィアの隠し資金だったもんだから、さあ大変。逃亡を図る主人公と、迫りくる追手の姿を、長廻しなどを効果的に用いながら、練りに練ったカットで(とは言えおそらくは偶発的な事象も織り込みながら)描き、派手さと渋さを兼ね備えた見事なアクション映画となっています。妻を失いながらも冷静に事態を受け止め、策を練る主人公。仲間が死んでも「うまくいったぜ」と言うばかりの、頼りにならずむしろややアブナイ相棒。ただ事態を楽しんでいるだけのような刺客。彼らの持つ「温度差」が、本作の“駆動力”となっていて、オモシロイところでもあります。