手堅い印象の前半から、後半は一転し、追いつ追われつの展開、一 .. >(続きを読む)[良:1票]
手堅い印象の前半から、後半は一転し、追いつ追われつの展開、一本の映画で二度美味しいと言うのか、それとも木に竹を接いだみたいというのか。
いきなり本題に入る冒頭、まさにツカミはOK。その後も派手さはなくとも物語はどんどん進んでいく、その過程に、もう少し引っかかりがあっても良さそうな気もするのですが。獄中にいる妻を脱獄させたい。そのための情報や人脈をネットから手に入れる、というのは、今の時代、いかにもゴモットモで、こういうのもリアリティのひとつかも知れないけれど、そういう辻褄合わせの説明を、映画として見せられても、必ずしも面白い訳じゃなし。いっそ、もっと偶然の要素を絡めてもよいのでは。あと、イマイチ、主人公が追い込まれていく感じが乏しいのも、推進力の弱さ。そりゃ妻が無実の罪で服役してるとなりゃ、誰だって気が気でなく追い込まれもするだろうけれど、それだけじゃ単なる背景の説明に過ぎない。主人公の焦りの気持ちが進行する様子を、映画の進行と絡めて見せて欲しいところ。
と、モヤモヤしてきたところで、後半、妙に盛り上がる。ヤッタネ。でもこれはこれで、違和感が。
結局のところ、主演がラッセル・クロウ、ってのがよろしくないような気がいたします。普通のオジサンを演じているのか、ヒーローを演じているのか。前半は普通のオジサンっぽくって、後半もそのノリで行ってくれればいいのだけど、後半はヒーローっぽさが出てしまうのが、スターのかなしさ。せめて銃の扱いに慣れてないような感じくらいは出してくれればよかったんだけど。映画の前半と後半でテンポを変えるのは大いに結構ですが、主人公の印象まで変わってしまうと、何だか別の映画をひとつにまとめたような。
あと、物語の発端となった殺人事件に舞い戻るラストも、大した感慨につながらず、蛇足のように感じられました。[良:1票]