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しばしば「007」になぞらえられたりするマカロニ作品ですが、「ルパン三世」を思い起こさせたりもします(札束舞うラストシーンなんか特に)。なにせ、主人公サバタを演じているのが、悪人ヅラのリー・ヴァン・クリーフで、ここでも眼光鋭い寡黙なイメージはそれなりに維持しているものの、どっちかというと悪人というよりはイタズラ小僧みたいな表情でもって、変テコなギミックを駆使しながら悪に立ち向かう。基本的にイイ人です。あと、「変テコなギミック」がポテンシャルとして充実しているマカロニ界において、本作のそれは、まだ小粒な印象(カバンに仕込んだ銃、グリップにも銃口が仕込まれた拳銃、等)。一番イカしてるのは、主人公とライバル(の割りにはイマイチ強いのか弱いのかわからない)のキャラである“バンジョー”が持つ、銃が仕込まれたバンジョー(とりあえず、バン銃(ジュー)とでも呼んでおきましょうか)ですね。で、また本作の「ルパン三世」的な所以に話を戻しますと、二人の助っ人の存在。次元役の“カリンチャ”は、ヒゲが生えてるだけが共通点で、薄汚いデブ男、しかしナイフ投げの腕は一流(彼の方で一方的にサバタに付きまとっているだけなんですけれど、サバタも満更でもないように彼と付き合ってるあたり、サバタの人の良さが感じられますな)。そしてゴエモン役の“野良猫”は、飛んで跳ねて胸のすくアクロバットを繰り広げる、頼もしい男。で、サバタと二人の助っ人(この共闘がイマイチ噛み合っているような噛み合ってないようなところがあるものの)が、マモーのような粘着質のステンゲル率いる悪党軍団と死闘を繰り広げます。小粒なギミックだけじゃなくって、ダイナマイトを使った派手な戦闘も、ちゃんとご用意。さらにはその両者の戦いに“バンジョー”も絡んできて。あと銭形警部がいれば完璧なんですが、そこな大目に見ていただくとして、ハチャメチャさと支離滅裂さ、このマカロニの基本的な二大ツボを押さえた、良くも悪くもお手本のような作品です。