砂漠の真ん中に飛行機が墜落、生き残った乗員たちが飛行機を改造 .. >(続きを読む)
砂漠の真ん中に飛行機が墜落、生き残った乗員たちが飛行機を改造して生還を目指す、というオハナシ。このテの映画、ありがちなパターンとしては、乗り合わせた面々すなわち登場人物には老若男女取り揃え、泣き言なんぞ飛び交いつつも、乗員のひとりは妊婦だったりして、無事新しい生命の誕生を迎えるエピソードなんぞも絡めつつ、ヒーローの活躍を中心に勇気と希望を謳いあげる、ってな感じになるところ、ですかね。しかし本作、登場するのはオッサンばかり。ボーグナインやらジョージ・ケネディやら、そりゃこんな濃い連中をひとつの飛行機に押し込めりゃ、墜落もするだろうさ。で、オッサンたちのサバイバル。日常から非日常へ放り出された事そのものに対する泣き言なんぞそっちのけ、情緒ではなく、意志と意志とのせめぎ合い。いわば「生きていくことの論理」同士がぶつかり合う、骨太な内容で、まさにアルドリッチ節炸裂といったところ。オッサンたちが作業に邁進する時の顔はまさに少年のよう、作業の細かい描写も手伝って、映画のダイナミックさがよく出ていますが、その一方、困難を前にすればいくらオッサンでも弱さが出る。普通の意味での“弱気”もあれば、“強がり”というのもまた弱さの裏返し。様々な衝突を招くことになってしまう。どっちが正しいと割り切れない、終わりの無い衝突。向こうからは、死んだ仲間の墓がこちらを見守っており、不吉な運命を感じさせて、果たして彼らは本当に脱出に成功するのか?・・・という訳ですが、まあ要するに、本当に正しい人なんていないんだよ、不要な人もいないんだよ、皆でとことんぶつかりあって、それでも前に進んでいくんだよ。そんな感じの映画ですね。しかし一言。あんな発電機でどれほど発電できるもんなんだろうね。人力発電は出力の低さが難点。