その昔、テレビ番組「題名のない音楽会」でやってたネタ。司会で .. >(続きを読む)[良:3票]
その昔、テレビ番組「題名のない音楽会」でやってたネタ。司会である在りし日のマユズミ御大が語るところによると、音大だか芸大だかの試験で出題された「オラトリオ“天地創造”の作曲者は?」という問題に対し、思いのほか正解者が少なかった(ヨーゼフ・ハイドンです)とのことで、御大も呆れておられたのですが、「ところが」1名だけ、感心にも「黛敏郎」と回答した学生がいましたとさ、というのがオチでした。ホンマかいな、と未だに半信半疑なのですが、私も古い話を引きずり過ぎですね(笑)。さてこの映画。旧約聖書を題材にしたスペクタクル作品としてお馴染みですが、やっぱりスペクタクルにしちゃあ、やけに理屈っぽい作品ですよねえ。こんなに金と手間暇かけて、何もこんなに説明的な作品を作らんでもなあ、と思っちゃう。ノアの方舟のエピソードあたりは、様々な描写が織り込まれてなかなか楽しいですが(ウチの子供たちも喜んで観てましたし)、全体的には「旧約聖書の内容を一所懸命に“説明”している作品」との印象が強いです。良く言えば「マジメ」ですが、遊びが乏しくて、これはもう、企画の段階ですでに大きな不自由を抱えてしまっていますね。しかし、本作の音楽に大抜擢された黛御大は、入魂の本当に素晴らしい仕事をされたと思います。映画音楽としてはもしかするとやや雄弁に過ぎるかも知れないけれど、本作に関して言えば、この音楽が映画の弱いところをしっかりと補ってくれているように感じます。[良:3票]