アメリカ大陸横断鉄道の敷設という壮大な事業が、本作のベースに .. >(続きを読む)
アメリカ大陸横断鉄道の敷設という壮大な事業が、本作のベースになっています。しかし日本だって、狭い国土ながら、よくもまあこれだけの鉄道網を完成させたことよ、と思いますけれど。
この鉄道建設に情熱を抱く主人公、その情熱は亡き父の遺志を継ぐものであるけれど、父の命を奪った「2本指の男」の行方は杳として知れない。という訳で、大自然の厳しさや、先住民の襲撃といった危機にさらされつつも雄々しく進められる鉄道建設の姿に、「2本指の男」への主人公の復讐譚、あるいは主人公と幼馴染の女性との恋愛などが絡められて、見応え満点。脇を支える3人のポンコツオヤジたちの存在も忘れられません。
アメリカ開拓史の実際を映画に取り入れようとして、やや解説調なところもありますが、ラストでは当時の機関車実物を登場させてみたり(ジュピター号と116号、だそうです、すみません不勉強なもんでどのくらい貴重なのかワカリマセンが、きっと貴重なんでしょうフムフム)して、ちょっとワクワクしてしまいます。また、盛り沢山の内容を2時間ほどにまとめ切っているのも、字幕による最低限のセリフしか使わないサイレント映画ならでは、といったところでしょうか。馬に乗った先住民が列車に襲い来るその姿を、列車の壁面に映る影として描く、なんていう演出でも、これ見よがしにやることなく、サラリと流して見せる。
畳みかけるようなクライマックスに、これぞ大団円といいたくなるラスト。お見事です。