父に連れられ、有楽町の丸の内ピカデリーで鑑賞。小学生の時であ .. >(続きを読む)[良:1票]
父に連れられ、有楽町の丸の内ピカデリーで鑑賞。小学生の時である。
今でも鮮明に覚えているのは、幼い私がそれだけ決定的に映画の力を魅せ付けられたからだろう。
あれから数十年、この傑作をあらためて鑑賞して、唸ってしまった。
冒頭、女性がいきなり襲われるも、鮫の姿そのものは見せずに引っ張り続ける。
凶暴な人食い鮫に、人命が危機にさらされているというのに、頑迷な町の権力者に阻まれて何もできない主人公の焦燥。この見えない敵に怯えるサスペンスフルな前半の、傑出したカメラワークによる周到な演出。
後半では、未だ生々しい襲撃シーンをみせることなく、その恐怖をロバート・ショウ演じる漁師によって克明に語らせる、背後には正にその敵が迫ってきている。
このシークエンスによって、観るものの脳内に恐怖を増幅させる。
とどめには「喰らえ、化け物」で、味わうかつてないカタルシス。ドーパミンも大放出だ。
余談ながら、この時のロゴ、ポスター、プログラムのデザインの説得力も、忘れられない。文句なしの娯楽映画の頂点だ。[良:1票]