昭和30年代後半の街並みは鮮やかに描かれていたし、主人公の爽 .. >(続きを読む)[良:1票]
昭和30年代後半の街並みは鮮やかに描かれていたし、主人公の爽やかな恋愛模様と、カルチェラタン再生のわくわく感も良かった。
二人乗りの自転車で坂道をくだるシーンや、手際良く料理を作る所作や、学生たちが掃除やペンキ塗りをするシーンも良くできていて楽しかったと思う。
思うんだけれど、おそらく前提条件をわざと省略しているのだろうと思うが、登場人物が描き切れておらず、風間君のダイブや、ふたりが惹かれあっていく過程など、その心理や行動原理が理解しにくい。
理解しにくいから感情移入できず、結局のところ最後まで傍観者のままで映画は終ってしまった。
判断や想像を観客に委ねるのと、不親切なのとは全然違う。
「伝えたいなにか」があるのなら、雰囲気だけでなく、もっと丁寧に人物を描いてほしかった。
結果として、物語は単なる懐古趣味の域を出ず、非常に表面的な印象を受けた。
全体としての出来は悪くないだけにとても残念。(8.10 新宿ピカデリー)[良:1票]