ナチスドイツに占領されたフランス、レジスタンス活動で投獄され .. >(続きを読む)
ナチスドイツに占領されたフランス、レジスタンス活動で投獄された主人公が脱獄を図るまでの実話。
主人公のモノローグからなる徹底した一人称で進む物語は、途切れることなく緊張感が張り詰めている。
感情表現や扇情的なシーンは徹底的に排除されており、繰り返される日常や脱獄にかかわる準備は細部にわたって細かく描写される。
地味といえばこれほど地味な映画も珍しいが、この禁欲的な演出が実話であることの重みをずっしりと感じさせ、またびっくりするほどラストシーンで効果をもたらす。
私たちが普段観ているどの映画とも趣を異にするブレッソン作品は非常に刺激的だ。