<ネタバレ>クリント・イーストウッドのなんと渋いこと。ラストがなんとなく .. >(続きを読む)[良:2票]
<ネタバレ>クリント・イーストウッドのなんと渋いこと。ラストがなんとなく読めてしまうストーリーなので、役者さん如何では軽い仕上がりになりかねない気がしましたが、彼の存在でグググと重厚感を増していました。眉を少し動かしただけで空気を変えてしまう演技力と存在感、すごいです。
アジア系移民の姉弟役、タオとスーは無名の役者さんを抜擢したらしいですが、この2人がまたとっても素朴でいい味を出してました。
惜しむらくは、クライマックスでのタオ君の演技。
役柄上、ずっと感情を押し殺した演技が続いていましたが、クライマックスで感情が激する場面、これが物足りなかった~!この上ない絶望感、怒り、憤りがあふれ出すシーンなのにそれが伝わってこなくて、他が素晴しいだけにちょっぴり残念。
もう一つ、私的に感情移入しきれなかったのは、確執があったとはいえ、死に際し、2人の息子とその子供達(孫)との歩み寄りが見えなかったところ。
家屋は教会に寄付、グラン・トリノは友人であるタオ君に…
遠くの親類より近くの他人、とは言えども、親子としてはちょっぴり寂しい最期です。
父の覚悟の死、その意味と真実を息子達が知る事はあるのかなぁ…。
とはいえ、タオ君が海岸沿いをグラン・トリノで走るラストシーンはとても素敵だったし、エンドロールが終わっても観客がすぐには席を立たず余韻にひたっているようだったのは、作品の良さを物語ってるなぁと思いました。[良:2票]