言いえて妙だけれど、“一国の文化”というものは、他国のそれと .. >(続きを読む)[良:1票]
言いえて妙だけれど、“一国の文化”というものは、他国のそれと交じり合うことで、初めてその「本質」と「価値」が見出されるものなのではないか、と思う。
異国の捉え方と表現方法によって、自国の人々が“知らなかった”価値が生まれることもあるのだ。そういうことをこの映画は、燦然と見せつける。
「芸者」という女の生き方。望まぬままにその「運命」へと導かれ、その道程を生き抜いていく一人の女の様があまりに激しく、あまりに美しい。
辛苦の末にようやく手に入れた待ち望んだ“ぬくもり”。
しかし、それでも彼女は「芸者」なのだ。その人生には、もはや神々しさすら覚える。
必ずしも日本という国と芸者という文化を「リアル」に描こうとせず、その文化がもつ本質的な「美意識」を最大限に優先して描かれた映画世界が素晴らしい。
台詞の中に、英語と日本語が混在する脚本&演出方法にも、全然違和感がなく、演者の表現力を最大限に引き出す効果へと繋がっていると思う。
冒頭にも言ったが、他国の文化との“混じりあい”が、素晴らしい世界観を生み出した要因だ。
この作品は、どうやったって日本人だけでは、描ききることができない「日本映画」だと思う。[良:1票]