最新作「新起動」を観る前に、オリジナルを“おさらい”しておか .. >(続きを読む)
最新作「新起動」を観る前に、オリジナルを“おさらい”しておかなければ!と思いたち、相当久しぶりに1984年の第一作を鑑賞。
改めて観返してみると、記憶に無いシーンが随分と多かった。続編である「T2」は散々繰り返し観たものだが、よくよく考えてみればこの第一作目は、子供の頃に観たきりだったかもしれない。
そして、忘却してしまっているというよりも、民放のテレビ放映版を観たことしかなかったため、大部分がカットされていた可能性が高いようだ。
そういうこともあり、僕自身が3歳の頃の映画を殊更フレッシュに楽しむことができた。
エンターテイメント性の高い「T2」に比べて、この第一作目が“疎遠”になっていた理由は明らかだ。
それは、少年時代にこの映画を初めて観た時の“恐怖心”に対してのトラウマが確実に残っていたからだと思う。
今、大人になって観返してみても、ラストの恐怖感と緊迫感は物凄い。それこそ、30年前の映画であることを忘れさせるくらいにフレッシュで、ただただ面白い。
“無名のボディービルダー”を感情を持たない殺人マシーンに配し、その肉体を剥ぎ取られてもなお執拗に追わせることにより、類まれな「恐怖」という娯楽性を生み出したこの映画の「発明」は、あらゆる意味で映画的価値に溢れている。
ただ逃げ惑うだけのウェイトレスだったヒロインが、クライマックスでは自らを助けにきた未来の戦士に対して「立ちなさい!」と叱咤する。
それはまさに、ヒロインが自らの運命を受け入れ、“未来”に向けて覚醒した瞬間だった。