「ダイ・ハード」で確立されたキャラクターを踏襲しただけのアク .. >(続きを読む)
「ダイ・ハード」で確立されたキャラクターを踏襲しただけのアクション映画だという印象だったが、ものすごく久しぶりに観てみると、想定外にぶっとんだ娯楽性を楽しめた。
改めて観てみると、続編が製作されなかったことが不思議に思える程だった。
何と言ってもこの時点ですっかり“定着”しているブルース・ウィリスのキャラクターが良い。
伝説の元シークレットサービスでありながら、堕落ししがない私立探偵に成り下がっているというキャラクターは、他に演じるべき俳優が思いつかないくらいに彼にフィットしている。
この作品の後、今作と同様の性質をもったキャラクターを何作も演じ続けていることを考えると、いかにそのフィット感が揺るぎないものだったかが分かる。
と言うと、実にありきたりなブルース・ウィリス映画だと思われがちだが、この映画そのもののキャラクター性は極めて独特だ。
冒頭から映し出されるのは豪雨のアメリカンフットボールの試合シーン。意図的に闇が強調された映像の中で、八百長試合に溺れたプレイヤーが相手プレイヤーに向けて拳銃をぶっ放し、挙げ句自らのこめかみを撃ち抜く。(しかもこの選手役があのビリーズブートキャンプのビリー隊長だというだから驚く)
また後のアカデミー賞女優ハル・ベリーがストーリーの発端となるストリッパーとして登場し、序盤に悪党どもによって蜂の巣にされてしまう。
主人公の親友だった男は、彼の妻を寝取った上に、非常に危険な仕事を押し付けた途端に爆死する。
と、序盤からぶっ飛んだハードボイルド展開が連続し、初見ではないのに面食らってしまった。
果たしてどうなってしまうのだと思うが、最終的には痛快な娯楽性で締めてくれる。
このトータル的なエンターテイメント性の高さは、監督のトニー・スコットの流石の力量だと思う。
他にも娘からの助け舟を受けての強烈なぬいぐるみジョークや、随所に挟み込まれる小気味良い台詞回し、そしてラストの“ダンス”に至るまで、時を経て観ると意外なほどに見所に溢れたアクション映画だ。