「まるっきり人間の歴史を繰り返しているみたい」
と、「ドラ .. >(続きを読む)
「まるっきり人間の歴史を繰り返しているみたい」
と、「ドラえもん のび太と鉄人兵団」でしずちゃんが言った台詞を思い出す。
「NO!」という一言から目覚め、人間の支配から独立し、“理想郷”を目指したはずのエイプたちが迎えた“夜明け”の意味が切なく、胸が痛くなった。
SF映画史上屈指の傑作である「猿の惑星」のリブートシリーズ第2弾。
前作「創世記(ジェネシス)」は、とても完成度の高い映画ではあったけれど、個人的には物足りなかった。“なんだか「猿の惑星」っぽくない”と感じてしまい、映画世界に没頭することが出来なかった。
オリジナルシリーズの大ファンなので、かの名作が携えていたSF映画的な驚きの要素が、「創世記」においてはあまり感じられなかったことが、不満足の大きな要因だったと思う。
ただ、リブート作の第一弾として前作の在り方は間違っていなかったとは思う。
そんな個人的な経緯を経た上でのこの第二弾「新世紀(ライジング)」であるが……、成る程、前作を踏まえ、“良い続編”として仕上がっていると思う。
やはり、冒頭に記した印象に尽きる。
愚かな人間の支配から脱却し、偉大なリーダーのもとで理想郷を築いたかに思えたエイプたちが辿る道筋が、悲しい。
決して越えてはならなかった一線を踏み越え、理想郷を去るしかなくなったシーザーとエイプたち。
進化による夜明けは、必ずしもいつも希望に溢れているわけではないという事実が容赦なく描きつけられている。
眩い朝焼けを受けて「覚悟」を固めるエイプ。一方、僅かに残された人間は暗闇の中へ消えていく。
次回作では、1968年のオリジナル第一作に繋がるストーリーが描かれるらしい。
果たして、彼らの「未来」はどこに、どうやって繋がっていくのか。