想定外の後味の良さが印象的な映画だった。
映画の9割以 .. >(続きを読む)
想定外の後味の良さが印象的な映画だった。
映画の9割以上は女装したダスティン・ホフマンが、魅力的なキャラクター性を発揮しつつドタバタとした人間模様が展開される物語だ。
当然、“偽り”は最終的にばれて、それがうまい具合にハッピーエンドにつながるのだろうと思っていたのだけれど、そうではなかった。
主人公が自分の正体を明かすクライマックスを終えて、その後に続くエピローグが素晴らしかった。
女装した自分に求婚したヒロインの父親に会いに行って酒を飲みかわしたり、険悪なままのヒロインを待ち伏せしてたどたどしく自分の本心を伝えたりする。
その決して仰々しくドラマチックではない、人間と人間の対話の様が、無性に心に残った。
アメリカ映画を代表する「名作」と評されるわりには、正直全体的にグダグダしていて粗も多い。
個人的に期待していたビル・マーレーの役所も、彼としては珍しいほどに普通。
なのに、エンディングが流れた瞬間には、不思議なほどに爽快感に溢れている。
つまるところ、この映画そのものが、ダスティン・ホフマンという大俳優の成せる業だろうと思う。