<ネタバレ>この映画を見終えて真っ先に実感したことは、主演している人々も .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この映画を見終えて真っ先に実感したことは、主演している人々も、舞台となるコールドマウンテンの大地もすごく美しいということだった。この作品のテーマは「美」だと思う。 映像はとにかく最初から最後まで美しい。DVDでぜひ観て欲しい映画。 象徴的な美しさを誇るコールドマウンテンは、あのルーマニアで撮影された。 視覚だけでもあの冷たい空気が伝わってくるようであり、こういう感覚を「厳粛な美しさ」と言うのだと思った。 そしてその美しさを際立たせる俳優たちがいる。 特にジュード・ロウの存在。 感情を表に出さずとも、内に秘めてた熱い想いがひしひしと伝わってくる。 盲目の老人と会話を交わした場面では「10分間でもいいから俺はコールドマウンテンに戻って愛する人と一緒にいたい」と言ったセリフにはジュードの想いが表われている。 ラストはジュードの死。 今考えると、ジュードはその10分間(つまり一瞬という意味)を手に入れるためだけに、苦難の逃避行の道を突き進んだように思う。 ニコールキッドマンやレニー、ナタリーポートマンは、表面的な外見の美しさだけではなく、強さと厳しさを秘めた内面の美しさが目を惹いた。 映画は全編を通して透明感が溢れている。 コールドマウンテンと南北戦争に翻弄される人々の果敢ない美しさが絡み合っている。 ストーリーは普通だけど、視覚に訴えかけてくる映像美は圧巻だった。