長丁場な作品であるのと、モノクロである上に導入部が長いのでや .. >(続きを読む)[良:2票]
長丁場な作品であるのと、モノクロである上に導入部が長いのでやや冗長な感じは否めない。
ただ、そこさえ絶え忍べば、後はひたすら手に汗握る展開を約束されている。
シナリオがかなり秀逸であるため、劇としてしっかりと見せて、観客をグイグイ引っ張って行く。
シドニー・ルメット監督のこのあたりの作り込みのテクニックは素晴らしく、
「12人の怒れる男」同様の真価をここでも発揮している。
その確かな演劇の上に築かれているクライマックスは、尚ショッキングであるが、
何よりもホワイトハウスとクレムリンのホットラインによるやりとりの緊迫感は他に類を見ない。
通訳を介してのやりとりであるが故に、状況の進退が微妙なニュアンスで変転するという緊張感に張り詰めている。
私的にはこの作品は「12人の怒れる男」より上だ。
「博士の異常な愛情・・・」と同時期に製作公開され、テーマが似通ったせいか、
日本劇場未公開であるが、私はキューブリックのそれよりも、こちらの方が好きだ。[良:2票]