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<ネタバレ>これまでもテコ入れのためのリニューアルっていうのは何度もしてきた007ですが、今回はちょっとリニューアルし過ぎと違います? 世界征服を企む悪の組織も秘密基地もない、とにかく荒唐無稽な設定をなるべく排除した映画になっていますけれど、秘密道具もキザなボンドもラストのラブラブ引きの画も、いろいろと排除し過ぎで今までの007を見慣れた身には違和感たっぷり。映画を見ている間、ずーっともどかしさを感じ続けて、ラスト5秒~エンドクレジットに至ってやっとですよ、ああ、きた!ってのは。映画自体の作りが、わざとそういう風になってるのがまたイヤラシイ。んー、でも私が「ダイ・アナザー・デイ」のところで書いた事と激しく矛盾しちゃうなぁ。私が求めていたのは結局お馴染みボンド映画の世界だったのか?って事になってしまうし。これまでやってきた映画をMを除いてほぼ全部まるっと無にしてニュー・ボンドです、って形にしたのは、やっぱりどうなのかねぇ、と。ミニチュアセットやCGが出てきてバーン!ってやるのはナシで、アクション主体で見せるって点は良かったんですが、ポーカーのシーンなどは駆け引きの面白さそのものはちっとも描かれていないまま、ただたっぷり時間を取ってるばかりで、後にもうひと山見せ場がある分、間延びさせる原因になってしまっている感じがあります。拷問シーン以降のすっきりしなさ加減は、もはやこれまでのボンド全否定?みたいな状態ですし。でも私にとっての最大の問題点はダニエル・クレイグを若き日のショーン・コネリーに置き換えて見てた、って事ですかねぇ。もしこれがコネリーだったら、って。ダニエルはどうしても器小さめ、どうも映画全体が亜流B級スパイ映画風味に思えてしまって仕方ありませんでした。悪役がころころ変わって安定してない、っていうのもB級風ですしね。それにしても、あのお馴染みテーマ曲がエンドクレジットでやっと流れてほっと安心、ってファンサービス程度の扱いなのはどうなのよ?[良:3票]