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<ネタバレ>『クレしん』が、親の名を呼び捨てにするという理由でPTAから子供に見せたくないアニメにされた過去がありますが(今のしんのすけは「とーちゃん」「かーちゃん」と呼びます)、この、親にとって安心ブランドなハズの宮崎アニメが親を呼び捨てにする状態を、PTAはどう捉えるでしょうねぇ。さて、最近の宮崎アニメ、ジブリアニメはどうも何がしたいのか判らず、鈴木プロデューサーが前面に出てくるようになってから質的にかなり問題があるんでないの?と思っておりました。今回にしても、最初はいつ『ハウル』的混乱設定とグロに走るかとヒヤヒヤしておりましたが、いやいや、これはいいです。『ゲド』の、いい加減なアニメートばっかりで腕がナマっていたであろう作画スタッフに対して親として責任を取ったような?全編細かく丁寧で、そして気持ちいいアニメの運動に溢れた作画に魅了されました。雄大な海の世界の、生命の営みと荒々しさを、CGではなくひたすら手描きでアニメートさせ、日本製アニメ、ここにあり!と誇らしく宣言しているような。物語でなく世界で作品を語ること、その模索がどうもこれまで迷走していた感があったのですが、今回、とてもシンプルな構造になる事で綺麗に成立したように思います。子供が見て楽しい、それこそが宮崎アニメにとっての最大の栄養だったのではないでしょうか。アタマで考えるのでなくて、目で体験してナンボの映画なので、こんな文章を読むよりも先にご家族で映画館へどうぞ。【追記】さて、公開最初の三連休も終わりということで、ここからは見た人以外は読むべからずな追加。正直なところ、この映画にも大人目線から見える暗喩に溢れている気がします。ネット上では死後の世界説があったりしますが、私の解釈は真逆。誕生までの物語。舞台世界=母胎。海=羊水。ポニョとポニョの妹達=精子。宗介=大人、母になるもの、卵子、親。両親=子供、童心、未熟。血を舐める=受精。ポニョのメタモルフォース=胎内での成長。トンネル=産道。ラストシーン=誕生。ただ、大人の理屈でごちゃごちゃと作品を穢すのは、やっぱりよろしくないと思うんですよね。勝手な解釈とか批判とかするな、って訳ではなくて、だけど、この映画を子供から取り上げるのでなく、子供にあげてください、って。[良:2票]