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<ネタバレ>なんだかんだ言いつつも映画館で見る『クレしん』は『温泉』から9回目。今回はムトウ監督以降の、グダグダになった感じがする『クレしん』映画の中では一番面白く見られました。良くも悪くも監督の作品として成立していた『カスカベボーイズ』までとは違って、それ以降は方向性を見失って年一本のノルマを消化するためだけに作られてるんじゃない?みたいな感じだったワケで、今回だってハッキリした方向がしっかりとは見えてないんですけど、ちゃんとしんちゃんを始めとする各キャラクターの笑いがあって、映画的なスケールがあって、感動があって。『クレしん』的面白さの及第点到達しました、みたいな。ここ数作は起承転結の転がすっぽり抜け落ちてすらいましたが、今回は一応クライマックスが存在してましたし。今回、特にセリフに冴えが感じられたのは、いつもは存在しない「脚本」があったからですかね? しかし、敵役の魅力のなさは相変わらず。エコロジーというシリアスな問題を抱えながら、それを推進するのが悪の側で、正義の側として描かれるのが酷い浪費と破壊に走る人間。その難しい問題を結局ちゃんと筋を通さず投げっぱなしにしちゃったのはダメでしょ。地球環境よりも日々の生活が重要という状態でオチちゃってます。だけど、久しぶりに役立たずで空回りしてるだけの野原一家からは脱却したので、まだ楽しめました。埼玉紅さそり隊のファンとしては今回ちょっとだけの登場でも嬉しかったですし(映画ではいつも殆どスルーされてますからねぇ)。例によって敵側の歌シーンはウザかったですが。あれって入れないとダメって決まりでもあるの?