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<ネタバレ>映画全体がラストのオチのためだけにあるような感じもしますが、そこに至るまでを、あんなにもヒネリもなく淡々と描いてしまったんじゃ、全然ラストまで引っ張れてませんよ。見ていて眠い眠い。「何故、脱獄を繰り返すのか?」ってミステリー部分か、脱獄のシチュエーションの面白さを見せるか、どちらかをちゃんと作っておかなくちゃ引っ張れないと思うのですが、そのどちらもが半端。前者は表情や感情を一切見せないために脱獄に賭ける執念のようなものが欠けてしまっていますし、後者は凝った描き方になっているのは少しだけ。せめて國村隼演じる看守の視点を大きくして、主観的に描いたら、まだオチも生きたのかもしれません。中盤の中村雅俊の歌は、これが真面目な時代設定に基づく映画ではありませんよ、って宣言する事でラストのあり得なさを暗示しているのかもしれませんが、それにしても、そことラストだけがまるっきり異質になっちゃってるのもねぇ。少しでいいから笑わせて貰いたかったというのが正直なところ。お笑いの人がどんどんゲージツ家気取りの観念的な映画を撮りだしたらヤだなぁ。