<ネタバレ> 劇中の雪平は殆ど全編に渡って黒のロングコートを着ています。 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 劇中の雪平は殆ど全編に渡って黒のロングコートを着ています。光を反射しない素材で黒髪と共に真っ黒な影になっていて、青白い顔だけが浮かんでいるような、まるで幽霊のような佇まい。父の死の真相を追う雪平が死に囚われた存在だったとするならば、冒頭とラストの裸身から血を流す雪平の姿は生へと動き出した事を象徴しているのかもしれません。
ドラマを一切見ていない私が見た前作の映画は「ワケ判らん」って状態でしたが、今回は前作を見た分だけの知識だけはあって(相変わらずドラマは全く見ておりません)、そしてその分だけは楽しめた感じがします。
悪が幅を効かせる今作は真相を追うよりも追いつめられ危機に陥る状況が長いのでストレスを感じるシーンが多く、また裏切りの物語が続くのでカタルシスは薄い気がしますが、明確な目標が提示され、そこに至るための攻防が描かれる事によってサスペンスを生んでいました。
ただ、前作ほどではないにしろ、やはり謎のための謎、裏切りのための裏切りみたいなトリッキーな部分(それこそが本作のカナメなのでしょうけれど)が明快さを欠く結果になっていて、実のところ本当にこれで完結なの?そう言いつつ更に続編作るんじゃないの?と思わせるような、アンフェアな事ができてしまいそうな部分が残されているのが気になりました。死んだ事をハッキリとは表現していないキャラが何人かおりましたからねぇ。