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<ネタバレ>一夜明けると、そこには非日常の世界が広がっていたのでした、という導入部がとっても上手くて、あっという間に映画の世界に誘われてゆきました。でも、さっさとショッピングモールへ行く展開、惨劇が繰り広げられているらしい基地の状況を見せてはくれない状態に、なんだ、製作費足らないのね、ワリとチープだったりするのね、なんて思ったんですが、そうじゃなくて、それは早く閉ざされた世界へ誘うためだったんだな、って後で理解しました。社会との繋がりが断ち切られて孤立してゆく不安感が、躁状態な映像と展開の中にひたひたと染み込んでくる感じが秀逸です。ゾンビという存在そのものが怖いというよりも、コミュニケーションを失った存在になってゆく、というのが怖くて、徐々に失われてゆく仲間という名の希望に、熱い画面とは裏腹な冷たい空虚な気持ちに支配され、見終わってこれが作り物の映画だって事に安心、って感じです。どん詰まりの終末の世界へ向かって疾走するパワフルな悲劇に、意外なくらいに感心しました。ただ、オリジナルとの安易な比較はできません。オリジナルの方は、つい最近見たために、時代性の違いを感じてしまったので、どうしても今のこの時代に語られたこちらの印象が良くなってしまって。映画は作られた時代にリアルタイムに見るのがいちばん、というのを実感させられました。あと、ゾンビものとしては残虐なシーンが少なめ、みたいに言われていたので油断しちゃってたのですが、私にとってはかなりツラい映像いっぱいなのでした。[良:1票]