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<ネタバレ>どうやら相当グロらしいと覚悟して見ましたが、『復讐者に憐れみを』の100分の1程度のグロさなので、ヘンなところで安心。ミドの秘密に関しては、最初の方で二人に対して愛は生まれるのか?って監視されてる時点で読めてしまいましたね。ああ、そうなのか、って。『復讐者に憐れみを』は、事象に対する復讐の連鎖によってそれぞれの憎悪がどんどん増幅してゆく物語でしたが、こちらは始めに復讐ありきで、そこから徐々に背景が見え、復讐の理由が見えてくる物語で、前作とは逆の流れという感じですね。とにかくスタイリッシュな映像でぐいぐいとパワフルに魅せます。しかも大仰なカメラワークとかではなくて、被写体の動きに頼っているあたり、感心させられます。大勢の男達を相手に格闘を繰り広げるシーンでの、ぺったんこ平面的な構図のアクション(ファミコンのアクションゲームみたい)なんか、ユニークだなぁと。シリアスなシーンだけれども傍観しているような視点で捉えていて、コミカルにも映る感じで。1つ1つのエピソード、物語の流れにはイヤなものだらけで気持ち良さはまるっきりないのに、見終わってなんて面白い映画なんだろ、と感心してしまう不思議な映画でした。それはやっぱり世界を終始引いた視点で俯瞰しているからでしょうか。感情移入からの裏切りをしてみせて落ち込ませる前作に比べ、最初から感情移入を極力させないような作りになっているのは、この映画の優しさだったりするのかな? 終始復讐者達を客観的に眺めているからこそ人の可笑しさ、哀しさが見えてくる、そんな感じでした。