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<ネタバレ>ロック・ハドソンと言えばまず私が偏愛する『ジャイアンツ』(10点)の主人公、次にドリス・デイとのコンビで量産されたライトコメディ作品群での明朗で粋なスーツ姿がイメージとして真っ先に浮かんできます。おそらくこの映画、その作品群がマンネリで飽きられ始めた時期に、演技派へのシフトチェンジを狙い主演したのではないかと。結果的には及第点。外見をチェンジして全く別の人間として再生するって内容は、アニメやドラマでも今となってはさほど目新しくないネタだけれど、おそらくこれが先駆けになった映画じゃないかな。しかもかなり大仕掛け。導入部から手術直後の、外見がイケメンロック君になるまでは、モノクロの凝ったカメラワークも独特で、これ世紀の大傑作ちゃうんか~?って、期待したけれど「転身」してからが少々失速。ワイン祭り?のシークエンスとか、やたら長ったらしい。主人公が徐々に錯乱していく様を描きたかったんだろうけど、観ているこっちまで不快指数MAXでアタマがやられそうに。題材的にこの種の映画の先駆けという点、只事ではない秀逸なカメラワーク、ラストに向けまたグッとテンションが盛り上がるのでこの点数で。良く出来た実験作だと思います。観ながら何故かカフカ原作の『審判』(7点)を思い出しました。内容は違うけれど、あれもモノクロ画面がやたら怖かった。