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<ネタバレ>GYAOの無料動画で視聴。あまりの素晴らしさに打ちのめされました。これほどの傑作が2012年まで日本未公開だったとは!
設定そのものがとても魅力的ではあるものの、中盤まではサスペンスなのかコメディなのかハートフルストーリーなのかまったく予測できません。
ぎりぎりのところまでコメディタッチの洒落たサスペンスと見せかけて、最終盤で一気にノワールへと変貌する!これは結局のところ、しがなくも実直で勤勉だった中年男が、その善良さにもかかわらず転落するという報われない物語。今でいうところの「イヤミス」ですね。ラストシーンで「神の子は今宵しも」や「ジングルベル」などのクリスマスソングが流れるところも不気味で秀逸。べつにイヤミスが好きなわけではありませんが、この作品にはすっかり魅了されました。脚本がきわめて巧みで、とくに終盤部分で関係者の証言がみごとに一致するところなどは唸ります。
なお、原案はルノワールの「牝犬」だそうですが、タイトルを「Scarlet Street」に変えたのは、もしかしてゴシック小説の「緋文字(The Scarlet Letter)」やコナン・ドイルの「緋色の研究(A Study in Scarlet)」に関係してるんでしょうか?
追記:きっとNYのグリニッジ・ヴィレッジが赤煉瓦の町だから「スカーレット・ストリート」にしたんでしょうね。逆にいうと、そのために物語の舞台を、原作のモンマルトルからグリニッジ・ヴィレッジに変えたのだと思う。[良:1票]