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<ネタバレ>これは凄い。まさしく「噂に違わぬ」という映画でした。重厚な物語を、優しく柔らかい音楽と、ところどころに配されるユーモラスな演出で中和して見せてくれていますけど、やはり内容は非常にシリアスですね。トリックを凝らした脚本もよく出来ていますが、何といっても圧巻なのは、ハリーライムという極悪人をめぐる3人の心情を描いた人間表現の凄さ。こんな展開になるんですねえ…。予備知識をもたずに見たので、ラストシーンでは、思わず感嘆の声をあげてしまいました。直後に2度目を見ましたが、非常に緻密な作りになっているのをあらためて再認識。ヨーロッパ映画の実力を見せつけられました。ちなみに、HollyとHarryの名前が対比されてますが、何か意味があるんでしょうか?また、55年になってヒッチコックが“ハリーの死体”をめぐる喜劇を作っていますけど、これも何か影響関係があるのかしら? それから蛇足ですが、私がレンタルしたart stationというメーカーのDVDでは、字幕の翻訳ミスならぬ「タイプミス」と思えるような箇所がいくつかあり、ちょっと雑な仕事だなぁという印象をもちました。もちろん、作品の評価とは関係ありません。[良:2票]