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<ネタバレ>いまさらディズニーのシンデレラなんて…とは思ったけど、せっかく地上波でやるのならと思って見たのが正解でした。じつに王道的な内容ですが、思った以上によく出来ています。とくにCGの映像は見事。たぶん馬は実写で鹿はCGだと思いますが、馬と鹿が出会う場面にまったく違和感がない(日本語的には「馬鹿」ですけど…笑)。ネズミやトカゲたちも、実写のなかに自然と溶け込んでいます(アヒルは「アフラック」を思い出させるけど…笑)。強いていえば、魔法使いの老けメイクだけがちょっと嘘っぽかったかな。
カボチャの馬車の美しさは絶品です。それからガラスの靴も美しい。重厚感のある舞踏会のシーンにはウットリしてしまいます。草むらの遠景や森などの風景も、往年の名画のようなオーソドックスで風格のある映像になっています。
ストーリーはごくシンプルで、変にこねくり回すことなく、ほぼ旧来どおりですが、多少のアレンジが加えてあります。冒頭で実母が魔法使い(フェアリーゴッドマザー)の存在を予言するのは、上手い具合に伏線として機能しています。王子が森でいちどシンデレラと出会うのも、舞踏会で一目惚れするよりはだいぶ説得力が増しますね。秘密の花園でブランコをこぐシーンは、ちょっとエッチな隠喩めいてる(?)気もするけど、ここでいちどガラスの靴が脱げるのもいいですね。王子は、ここでいちどシンデレラに靴を履かせているので、最後にシンデレラを探し当てるときには確信があるのですね。
強いてストーリーに気になるところがあるとすれば、父が再婚する動機かなあ。アニメのときは娘のために再婚したのですけど、この映画では自分の愛欲のために再婚している。しかも継母がやたらと美しいのです。リアルといえばリアルですけど、やっぱりちょっと父が不純な存在に見えてしまいますね。
それから、王子は、シンデレラを探すために莫大な予算を使って舞踏会を開き、国のための政略結婚を反故にして彼女を王妃に迎えるのですが、その選択に説得力が与えられるためには、王子に鹿狩りをやめさせたシンデレラの「勇気と優しさ」が父王にも伝わるべきだったかなと思います。[良:1票]