<ネタバレ>のび太君がタイムマシンで過去に戻って、ちゃんと自分が生まれて .. >(続きを読む)
<ネタバレ>のび太君がタイムマシンで過去に戻って、ちゃんと自分が生まれてくるようにパパとママをくっつけて、ジャイアンのこともやっつけてくるという物語。現代に帰ってきたら、パパとママはグレードアップしていて、家族はお金持ちになっていて、ジャイアンは家族の手下になっていて、しずかちゃんともよろしく結ばれました!って感じのマンガです。タイムマシンを開発したのは、(アインシュタインという名の犬型ロボットじゃなく)いかれたマッド・サイエンティストだったけど、テリー・ギリアムの描くようなブラックな世界観ではありません。ただ、北アフリカのテロリストからプルトニウムを盗んでくるという設定が、当時の米国人にとってどれほど切迫感があったのかは、ちょっと気になるところです。登場人物たちの服装も、ヒューイ・ルイスの音楽も、ゴチャゴチャした映像のセンスも、いかにも80年代らしい俗っぽさを見せていて、率直にいえばダサいです。チャック・ベリーがロックンロールを生み出した時代から黒人の市長が活躍する時代へ、ロナルド・レーガンが俳優だった時代から大統領になる時代へ、という米国の歴史もいちおうは織り込んでありますが、とりたてて上手いというほどでもありません。この映画をもって歴史的な名作だとは言いがたいけど、まあポップコーンを食べながら家族でバカ笑いできる子供向けのアメリカ映画としてなら、だいぶ出来がいいとは感じます。ここまで底抜けだと、たしかに意味もなく笑えてきますよね。