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<ネタバレ>GYAOの無料動画で視聴。なぜ角川春樹はここまでして「時をかける少女」にこだわるのでしょうか? 原田知世への恋慕とも言えるし、妹への愛惜とも言えるし、そうした個人的な動機の部分には若干の気持ち悪さを感じないでもないけれど、よくいえば、それだけにピュアな作品なのでしょうね。
原作からの不可解な設定変更をふくめて、物語はまったくもって荒唐無稽だし、妙ちくりんな謎の演出が作品のチープさを際立たせてるし、主人公はお世辞にも美少女とは言いがたいし、あきらかに長所よりも短所のほうが多い映画なのですが、それがかえって「NHK少年ドラマシリーズ」みたいなSFジュブナイル特有のヘンな効果を醸し出していると言えなくもない。個人的には、けっして嫌いじゃありません。
中盤までぎこちない下手クソ演技を披露していた中本奈奈が、終盤になって中村俊介と語り合うシーンでは、とつぜん不思議な説得力を発揮していて、「出会いの偶然性と必然性」みたいな哲学的なテーマを投げつけており、思いのほか胸を打つところもありました。
愛すべきヘンテコ映画として8点つけようかと思いましたが、はやる心をおさえて7点。