無骨なタフガイ、ハックマン。本作で演じたポパイでアカデミー賞 .. >(続きを読む)
無骨なタフガイ、ハックマン。本作で演じたポパイでアカデミー賞を手にし、
そんなハックマンのイメージを決定づけた作品です。
そして本作に「ポセイドン・アドベンチャー」に「スケアクロウ」といった
名作に立て続けに出演した70年代前半が彼の最もいい時期だったと思います。
全体的には実話モノということもあり地味に撮られた作品ですが、
中盤のNYの雑踏の中の尾行や、地下鉄の駅での黒幕との攻防、
そして本作で最も有名であろう、上を走る電車とその高架下を走る車。
この高低差のあるアクションなど、NYの街並みを活かした見せ場がビシビシと決まっている。
地味ということでは、ほとんど女が登場しない。ハックマンをずっと現場に放り込んだままで、
ポパイやルソーがタフな1日を終えて自宅に帰り、
女房か恋人かと飯を食い、子どもと戯れるような束の間の安らぎのひと時も全く無い。
この時代の犯罪映画でよく感じられる、どこか空気の悪さを感じさせるような街の描写や
常に日没間際のような澱んだ作品の色合いや世界観もまたたまらない作品です。