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<ネタバレ>ジョン・カーニー。この名前を見るのは「ONCE ダブリンの街角で」以来久しぶりですが、
本作も「ONCE~」と同じく、都会の片隅で少し淋しさを抱えた男女が出会う。その2人に共通するのは音楽。
その時々の登場人物の心を表すかのような作中で歌われるその歌詞も、
音楽が人の心を動かし人を結び付けていく様も、飾り気の無い素朴な描写がいい。
冒頭、1人の女性がバーでギター1本で弾き語っている。この歌詞がまたいい。
それに耳を傾ける、1人の音楽プロデューサー。
今は落ちぶれてしまっているが、まだ粗削りなその弾き語りに、彼の脳内であっという間に他の楽器が加わりその曲を肉付けしていく。
弾き語りの歌詞の素晴らしさと共に、この男の音楽を愛する気持ちとその才能が見事に伝わってくる。
ニューヨークの街角でアルバムを録音していく。キーラ・ナイトレイの歌もその表情も素晴らしい。
そのハイライトがビートルズの「レット・イット・ビー」のルーフトップ・コンサートを思わせるビルの屋上での録音風景。
そこに離れて暮らす、マーク・ラファロ演じるプロデューサーの娘のギターが加わる。
キーラの魅力を随所に見ることが出来る作品ですが、
才能はあるけど生き様は少々不器用、人間臭さのあるプロデューサーを演じたマーク・ラファロの好演がこの作品を支えていると思います。
ジョン・カーニーの作品を見るのは「ONCE~」以来2度目ですが、もっともっと映画を撮って欲しいと思います。[良:1票]