ロメールの映画は登場人物の誰もが饒舌で台詞が多く、
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ロメールの映画は登場人物の誰もが饒舌で台詞が多く、
その字幕を追い続けていると恋愛小説でも読んでいるかのような感覚になる。
しかしその中にフランス人的思考が垣間見えてくる、この人の映画ならではの楽しさがあります。
本作の頃にはロメールはもう60代も半ばを過ぎているというのに、
孤独感と人生に少々の行き詰りを感じている、夏のバカンス前後の
20代女性の心理をこんなにも繊細に軽妙に描き出していく感性には驚かされます。
じっとりとした暑さを感じさせない、カラッとした質感のフランスの夏の色が美しく、
日没間際にほんの一瞬だけ見えた緑の光線にラストはほっこりとさせられました。