<ネタバレ>シリーズの中期から後期に差しかかる頃。作品的には低迷期にあっ .. >(続きを読む)[良:3票]
<ネタバレ>シリーズの中期から後期に差しかかる頃。作品的には低迷期にあった頃と言えるかもしれない。そんな時期に生まれたシリーズ屈指の名作と言っていい作品がこの第32作です。シリーズを通して作品に花を添え続けたマドンナ。実は僕は全マドンナの中で本作の朋子が最も好きなのです・・・。これだけでも僕としては10点以外に付ける点数はございません。シリーズ中、「良かったなあ~」と思える作品はやっぱり寅さんとマドンナの心の触れ合いが深い作品になりますね。リリーがマドンナに何度も起用され、シリーズのファンに愛された理由もここにあるのだと思います。本作は終盤まで寅さんは一度も柴又に帰ってこない。お楽しみの一つであるとらや騒動も無くとらやで喧嘩すら起こらない。それでもやっぱり本作もとても面白い作品になっています。とらや騒動ならぬ備中高梁騒動が楽しく、松村達雄さんのダメ和尚ぶりも絶品。寅さんが高梁を去るきっかけとなった風呂場のシーン、そして寅さんと朋子、少し離れた所に立つさくら。この柴又駅での別れのシーンの悲しさも心に残る。御前様曰く、「煩悩が背広を着て歩いているような男」。その事を誰よりも感じていたのは寅さん自身だったのかもしれませんね。僕の中ではシリーズ中、5本の指に入る作品です。[良:3票]