<ネタバレ>住民は皆イタリアにやって来たナチスを歓迎する式典に出掛け、そ .. >(続きを読む)[良:2票]
<ネタバレ>住民は皆イタリアにやって来たナチスを歓迎する式典に出掛け、それを実況しナチスを賛美する、隣人が大音量で垂れ流すラジオ放送以外はひっそり静まり返ったアパートの一室。そこで繰り広げられるマストロヤンニとローレン演じる中年の男と女のたった一日の情事に至るまでを描いた作品です。決して喋りすぎない2人が実にいいです。家事をする姿、お互いを見つめる目、室内を歩く姿、鏡に映る自分を見つめる表情、そして後姿さえも。何気ない一つ一つの動作で表現する2人の心情、心の揺れが痛いほど伝わってきます。この2人の名優が創り上げる室内の空気が見事でした。2人の会話から男は反ファシズムの為職場から追放されたアナウンサーであることが分かる。そして最後には当局に連行されていく男。それを窓越しに見つめる女。男が彼女に残した一冊の本と彼が修理した電球。マストロヤンニ、ローレン、絶妙に配置された小道具が三位一体となって織りなすラストシーンは物悲しくも、僕にとっては忘れられない名シーンの一つとなりました。[良:2票]