19世紀の薄汚いロンドンの街。見事な色彩表現。そして、不健康 .. >(続きを読む)
19世紀の薄汚いロンドンの街。見事な色彩表現。そして、不健康を具現化したかのような主演2人のメイク。唐突とも思える歌声。計算しつくされた演出は流石だと思います。
あまりに悲しい主題と、それを彩るおどろおどろしい展開、それらがブラックユーモアのオブラートで包まれ、観る者の体内に飛び込んで来る感じ。そのあたりもまた、流石の一言です。
そして、色彩的にも、ジョニのメイクにも、さらには小道具にも、全てにおいて「シザー・ハンズ」との対比を感じてしまいます。「シザー」のハサミが善良な魂の象徴ならば、こちらのカミソリは狂気と怨念の象徴。このコンビ、原点回帰を図ったのか?
私にはそんな印象が残る作品でした。