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<ネタバレ>ヒドいですね。観る者を選び過ぎな表現・演出とでも言いましょうか、単に「グロい」と言うだけでは収まらない根の深いグロさを感じます。
作り手の伝えたいテーマは、人間が本来的に内に秘めている凶暴さ、残虐さ、横暴さ等々、所謂狂気への警鐘でしょうか?だとしても、それを伝えたい目的は何なのでしょう?
何より、どんなテーマ性があるにせよビジュアルに依存し過ぎな表現方法としか言いようがありません。必ずしもリアリティを追及している訳でもなく、見る者の恐怖心、或いは嫌悪感に的を絞った執拗な刺激。ある種のデフォルメと言っても良さそうです。
感染パンデミックで崩壊していく世界をゾンビ映画風に製作した作品。敢えて「風」としたのは、ここに登場する感染者たちは死んではおらず生きている。まぁ、ゾンビだってある意味「生き返っている」=「生きている」訳ですから、本作はゾンビ映画の亜種とでも言いましょうか。いずれにしても、もし本作のテーマが前述のとおりだとしたら、何故「感染」や「ゾンビ」をキーワードに製作したのか?些か短絡的ではないのか?無茶しやすくて手っ取り早い題材だから?どうにも理解に苦しむところです。
既にレビューされている方もいらっしゃいますが、台北市の各部門等、行政が協力していることも謎。一般的に自治体や公共機関が後援や協力をする場合、当然要綱等に照らし合わせた内部的な手続きを行った上で意思決定するわけで、だとしたら何をもって協力したのでしょう?本作を公開することで自治体や住民に公の利益を供するとでも言うのでしょうか?謎です。
鑑賞要注意の作品。個人的には全くもって受け入れ難い作品ということで個人的最低点としている1点とさせていただきます。
(追記)
肝心のタイトルについて触れ損ねていました。感染者の流す涙の意味については作中で研究者が説明していましたが、やりたくはないけれど抗い難い衝動には勝てないことが落涙に繋がっているというようなことだったと思います。やりたくないからやってしまうことへの贖罪の涙、と言うことでしょうか?ごめんなさい、ホントはこんなことしたくないんです!みたいな。であれば、テーマを際立たせる効果的な演出かとも思えますが、全ての感染者が涙してる訳でもなくイマイチ弱いかな、と。タイトルにしているわけですし、そこをもっと掘り下げて欲しかった。きちんと意味付けして欲しかった。そんな印象が残りました。[良:1票]