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<ネタバレ>それぞれ有名なストーリーをきれいに交錯して見せた前半は実にスムーズで心地よい。うまくいったはずなのに事態は急変、の中盤は、先の読めない面白さで「さあ、どんな奇想天外なクライマックスに導いてくれるのか」とわくわくさせられる。しかし、後半はいただけない。ブロードウェイミュージカルという確固たる原作の映画化が裏目に出た。ミュージカルのいい意味でのあいまいさ、筋が通っていなくても、楽曲と演者が素晴らしいからよしとしよう、というストーリーの雑さが、かえって映画化で目立ってしまった。巨人の女は悪いことをしていない、といった矢先に退治しようとなったり、長男王子とパン屋の妻の不義、さらにその妻の強引な夫への愛の論理、いつのまにか死んでいるジャックの母、妻の死を引きづらないパン屋、舞台ではごまかせても、映画となれば「?」となる。メリル・Sも歌声は特筆すべきもののキャラがぶれる。魔法が出なかったと思えば、最後は使えたり。死んだ牛を蘇らせることができるので、当然先に述べた妻や母もそうすると思ったのも肩透かし。プロデューサーももっとがんばって舞台原作者を説得し、映画版ラストを変えるべきだった。残念。