主演男優より有名な周防正行の久しぶりの作品。
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主演男優より有名な周防正行の久しぶりの作品。
見終わってこれからも周防監督には1本1本丁寧に
作品を作り続けてもらいたいと思いました。そう思わせるいい作品です。
エンドロールが流れると、普通バラバラと客が席を立つところが、この映画の後では
私を含め他のお客さんも暫く席に座ったまま余韻に浸っていたようでした。
痴漢冤罪をテーマに拘留所、警察、検察官、裁判官、裁判マニア、
被害者、被告とその家族・友人をリズミカルに映し出しています。
言い方は悪いかもしれませんが、映画を見ているだけで
いろんな角度から裁判にまつわる情報が入ってくる優れた教育映画のようでした。
後半の裁判シーンでの各役者の演技はよかったです。
感情的になる場面や、相手の嫌がるところを突いていく裁判のやりとりは
他の映画でもありますが、例えば被害者の中学生の問いかけに対する答えまでの微妙な間。普通の人なら一生に一回あるかないかの
裁判で答弁するという緊張感がリアルに伝わってきました。
減点ポイントは小太りのおせっかいな目撃者のキャラクター。
本田博太郎のオカマ役も竹中直人の変な管理人も前半はまだ笑えてよかったのですが、
リアルな裁判シーンが続く後半では、あざとく狙ったような
役作りは余計な演出に感じました。でもこのような映画は邦画の良心です。ぜひヒットして欲しいと思います。これからもがんばれ!周防監督。