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<ネタバレ>戦争活劇というよりも皆さんがお書きになっているように管理職の苦悩を描いた作品といえると思います。後半に実戦のフィルムを多用した空中戦の場面が出てきますがそれまでの人間ドラマがあるが故に一機また一機と撃墜されてゆく爆撃機にかけがえのない多くの隊員達が乗っていることをリアルに感じます。1949年という勝った戦争が終わって4年目に何故米国万歳でもなく、ナチス憎しでもない管理職の映画が作られてまた皆に受け入れられたのかは興味深い所です。この映画でも若い隊員達から語られる「自分たちと関係のないヨーロッパの戦争に何故命を懸けて参加しなければならないのか」という疑問は大戦中米国民が持ち続けていた切実な問題であったことは確かです。管理職の悩みの原因はまさにそこにある訳です。米国の古い戦争映画を見ると常に底流にその問題が描かれていると思います。一方でヨーロッパで製作された映画は侵略国ドイツをやっつけることに何の疑問もありません。「使命から逃げる事はできない、欧州の空に米国の飛行機が満ちて戦争を勝利に導くことは素晴らしいだろう。」というのがサベージ准将の説得の言葉ですが言葉の虚しさを彼自身も感じているように表わしているところが大人の映画を思わせます。さらに上官として部下達と一体になってゆき、死地に追いやる事に耐えきれなくなってしまうというヒューマニズムがこの映画が皆に受け入れられた要因であると思いました。大人の戦争映画にこの点で。